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【第6回:日本一わかりやすいICS講座】インシデントが起きたら初めにやること③:「何はともあれ人命優先」が危機対応の最大原則

2020.01.06

「日本一わかりやすいICS講座シリーズ」を通して、ICS(インシデントコマンドシステム)のイロハを(文字通り)日本一分かりやすく噛み砕いて説明してまいります。

ICSでは、色いろな取り決めが複雑に絡み合っています。しかし、原則として肝に命じておいてもらいたいことはとてもシンプルです。それは、「人命が最優先であること」です。

こうした大原則を元に、この回では危機対応の三原則であるLIPについてお話ししていきます。

危機対応の三原則LIPとはなにか?

初めに、危機対応の三原則となるLIPについてお話しいたします。

  1. Life(人命):何はともあれ人命の確保が最優先です。
  2. Incident Stabilization(被害拡大の防止):被害を最小限にとどめるよう努力します
  3. Properties(財産の保護):財産や環境を守ることにも努めます

上記3つの頭文字をとってLIP(リップ)となります。原則は3つとは言うものの、その中でも群を抜いて大事なのが「人命」となります。しかし、「人命」というと、とかく自己犠牲の精神が盛んな日本人の場合には、特に誤解しがちなことがあるのです。それにつきましては、次の章で説明いたします。

「人命が最優先」の本当の意味

タイトルにあげました通り、危機対応の最大の原則は、「人命を最優先に」ということです。しかし、多くの人たちが、この言葉を聞くと誤解してしまうことがあります。

「人命が最優先」=「人命救助が最優先」では決してないということです。
ここでいう「人命」とは、これから助けられる人の命だけではありません。助ける側の人の命も含まれているのです。冷静に考えてみてください。

火災の現場に消防士が駆けつけたとします。もし消防士が、とても危険な救助に敢えて突入して、命にかかわるような危機的状況に囲まれて動けなくなったら、どうなりますか? そうなったったら、後発隊が救助に向かいますが、後発隊は、被災者と先発隊の消防士を助けることになります。危機が極まる中で、助かる命も助からなくなることもあるのではないでしょうか。全員が悲劇に巻き込まれることも懸念されます。

災害対応といいますと、どうしても助けられる人の命のことばかりに目が行きがちです。しかし、まず、大切なのが、助ける側の安全確保と命なのです。

この考え方を肝に命じた上で、これからICSの各論に入っていきたいと思います。

日本一わかりやすいインシデント・コマンド・システムのコラム一覧

【第1回】インシデントコマンドシステムの概要・インシデントとは何か?

【第2回】オールハザードとは何か?

【第3回】インシデントの5タイプ

【第4回】インシデントが起きたら初めにやること①:まずは指揮者(Incident Commander)を決めよ

【第5回】インシデントが起きたら初めにやること②:被害状況を把握せよ

【第6回】インシデントが起きたら初めにやること③:「何はともあれ人命優先」が危機対応の最大原則

【第7回】インシデントが起きたら初めにやること④:メンバーのチェックイン、チェックアウト

【第8回】組織づくりの基本①:組織の機能の洗い出し

【第9回】組織づくりの基本②:モジュラー型組織

【第10回】組織づくりの基本③:スパンオブコントロール

【第11回】組織づくりの基本④:指揮命令系統の一本化

【第12回】組織づくりの基本⑤:災害対策本部(EOC)

【第13回】組織づくりの基本⑥:指揮と調整の違いについて

【第14回】インシデント・コマンド・システムにおける目標設定

【第15回】計画(IAP:インシデントアクションプラン)を立てる

【第16回】事態対処部門(Operations Section)の役割・組織編成のやり方

【第17回】現場指揮所と現場集結拠点を設置する

【第18回】災害対応の初動対応のあり方

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