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【第2回:日本一わかりやすいインシデントコマンドシステム】オールハザードとはなにか?

2020.01.02

この章では、「オールハザード」についてもう少し詳しく取り上げたいと思います。オールハザード(All Hazard)の直訳は「すべての危険」です。ICSを深く学んでいただくと、「ICSはあらゆる災害に対して当てはめることができるシステム」であると理解できます。

しかし、「すべての危険」といっても漠然としすぎてわかりにくいので「あらゆる種類の危険因子」とでも訳した方が適しているかもしれません。

前の章で取り上げた花火大会やコンサートといった「イベント」。こちらは人間が意図して計画したものですから、どんな危険が発生する可能性があって、誰が・どのように対応すればよいのか、予想は立てやすいと思います。

たとえば、アイドルグループのコンサート会場を思い浮かべてください。ちょっと物騒な話ですが、熱狂した男性ファンがアイドルに向かって暴力的な行為をしたとしたらどうでしょうか?(たとえば刃物をもって切りつけようとしたり、火炎瓶を投げ込んだり)

そうなった場合、近くにいる警備員が男性を取り押さえて、事態を収拾しようとしますよね?イベントの規模や内容に応じて警備員、ボランティアスタッフを配置したり、救護ステーションを設けたりと、起こるであろう危険に対して何らかの対策を講じるはずです。

こういったイベントに対しては、事前の対策が立てやすいと思われますが、自然災害(地震、津波、台風など)についてはどうでしょうか?

最近、気象予報の精度も上がってきましたね。台風などは、どの程度の規模で、いつ、どこに上陸して、どのくらいの被害が生じるのか、事前の対策はしやすいですよね。一方、地震についてはなかなか予知しづらいものです。これから◯年以内に南海トラフ地震が起こると言われていますが、具体的に何年の何月何日に起こるかまでは、流石に予知できません。

予知できない災害という点では、9.11のようなテロ(人為的災害)、化学工場の爆発事故(技術災害)なども同じですよね。

・事前の計画に基づくもの

・発生を予知できるもの

・予知不可能なもの

これら全てをひっくるめて「オールハザード」と称しています。ICSは、あらゆるオールハザードに対して、何らかの対応が可能な手法として開発されました。いろいろな災害が起きた際に、「なすすべもなく、立ちすくんでいた」ということではなく、周りの人たちと一緒に立ち上がるための術(すべ)を提供するものなのです。

日本一わかりやすいインシデント・コマンド・システムのコラム一覧

【第1回】インシデントコマンドシステムの概要・インシデントとは何か?

【第2回】オールハザードとは何か?

【第3回】インシデントの5タイプ

【第4回】インシデントが起きたら初めにやること①:まずは指揮者(Incident Commander)を決めよ

【第5回】インシデントが起きたら初めにやること②:被害状況を把握せよ

【第6回】インシデントが起きたら初めにやること③:「何はともあれ人命優先」が危機対応の最大原則

【第7回】インシデントが起きたら初めにやること④:メンバーのチェックイン、チェックアウト

【第8回】組織づくりの基本①:組織の機能の洗い出し

【第9回】組織づくりの基本②:モジュラー型組織

【第10回】組織づくりの基本③:スパンオブコントロール

【第11回】組織づくりの基本④:指揮命令系統の一本化

【第12回】組織づくりの基本⑤:災害対策本部(EOC)

【第13回】組織づくりの基本⑥:指揮と調整の違いについて

【第14回】インシデント・コマンド・システムにおける目標設定

【第15回】計画(IAP:インシデントアクションプラン)を立てる

【第16回】事態対処部門(Operations Section)の役割・組織編成のやり方

【第17回】現場指揮所と現場集結拠点を設置する

【第18回】災害対応の初動対応のあり方

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