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【コロナ関連】劣勢に追い込まれても必ず立ち上がるリーダーとは?

2020.04.03

いつもJERD通信をお読みいただきありがとうございます。

日本防災デザインの代表の志村邦彦です。

前回のメールでは、コロナウィルスの感染が拡大している、この未曾有の事態を前に、
世界中の経営者が対応方法に苦悩しているというお話をいたしました。

今回はその続きの「劣勢に追い込まれても必ず立ち上がるリーダーとは」
についてお話をしていきたいと思います。

◆甚大災害の同時発生も視野に

不確実性の社会と永く言われてきましたが、今ほど不確実な状況に、
世界中が追い込まれたことはありません。

このパンデミックの終息が見通せない中で、長期化することが確実視されています。
さらにあと数ヶ月すれば台風・集中豪雨が確実にくることが予測され
突如として大地震が発生する可能性もあります。

コロナウィルスの長期化は重大リスクが同時発生する確率が高まっているとも言えます。

◆「劣勢」とは?

危機対応の観点からすれば、「劣勢に追い込まれている」と言えます。

危機対応において「劣勢」という言葉は、具体的には、火災で言えば、火の勢いが強く、
それに対して消火にあたる人数や消火設備が少なくて、
延焼拡大を抑えられない場合など、形勢が不利にあることを指します。

甚大災害や大規模インシデント(事故、テロ等)が起きた場合、その災害関係者は、否応なく
「突然、劣勢に立たされる」ことになります。

その観点からすれば、コロナウィルス騒動に巻き込まれている
日本や世界中の経営者や災害対応関係者は、
今まさに「劣勢に追い込まれている」と言えるのかもしれません。

◆この劣勢の中で、どうすればよいのか?

この事態は企業内で自己完結できる状況ではなく、状況打開のためには、ワクチンの開発や
特効薬が手に入り、パンデミックが完全終息するまで、待たなければなりません。

一方で、前回のメルマガのとおり、経営者は、「従業員の生命・安全の担保」とともに、
「社会的責任の遂行」という使命も担っています。

また、経営者個人に向けては「永続的な業績の向上(サステナビリティ)」と
いう課題も背負っています。

この状況で、どのようにリーダーとして振舞えばよいのでしょうか?

◆責任あるリーダーとは

ハーバード・ビジネススクールのジョセフ・L・バダラッコ教授は
「責任あるリーダーシップへの5つの質問」として次を掲げています。

・「自分は現状を取り巻く環境を十分把握しているか」
・「真の自分の責任とは何か」
・「核となる正しい価値観をもっているか」
・「いかにして重大な決断をくだすか」
・「自分はなぜこの人生を選んだか」

出典:『ひるまないリーダー』J.L.バダラッコ 2014 翔泳社

バダラッコ教授は「市場主導型社会におけるリーダーシップ」に
ついて論じたものですが、今回の難局においても、あてはまると思います。

企業経営者は、しっかりと状況を把握し、思想と論拠をもって指揮すべきだということになります。

果たして、この危機に対して、合理的かつ効率的な対応とはどのようなことかを、
即答できる方はいるのでしょうか。

◆危機対応の「定石」はある

日本防災デザインは、この危機対応の考え方として、インシデント・コマンド・システム(以下、ICSという)をご案内します。

このICSは、米国で開発された災害や事件等(オールハザード)に対する危機対応の理論であり、
世界的な危機管理の対応標準となっています。

状況把握にはじまる危機対応のPDCAの原理原則です。指揮をとるリーダーが
考慮すべきポイントも示されています。

その考え方を理解していれば、体系的かつ網羅的な観点から、
合理的な手順で、危機対応が進められます。その意味ではリーダーの意思決定の
ブレが少なくなるとも思われます。

ICSの考え方が社内浸透していれば、リーダーの意思決定にどのような
意味があるのかを、部下たちも理解することができ、
コミュニケーションの円滑化を促進します。

◆経営者責任の全う

そして、何よりも、ICSを知っていれば、やるべきことがわかり、
そのことを粛々と行うことに意識を集中できます。

また、世界的な標準ICSに従った危機対応の実績は、経営者の意思決定に
対する非難の多くを回避することに繋がると考えます。

詳しくは、弊社ホームページ「日本一わかりやすいインシデント・
コマンド・システム」をご覧ください。

https://jerd.co.jp/column/319/
全18回のコラムとなっています。

◆リーダーの真価は危機で問われる

とはいえ、現実的には、まだまだ責任ある経営者の苦悩は続きます。

厳しい状況に立ち向かおうとすれば、多くのリスクとストレスに晒され、
大きな忍耐、努力、勇気が必要となります。

それでも、真正面から立ち向かおうとする経営者の根底には、きっと、社員の幸福、
自社の繁栄、より良い社会の構築という「高み」を目指す考えがあると思います。
ICSはそのための有効な道具立てとなります。

まさに劣勢の時こそ、リーダーの「真価」が問われています。

真のリーダーシップとは「社会正義」のために決してあきらめず、
劣勢を跳ね返し、優位な状況までこぎつけるように、
組織を導くこと
ではないでしょうか。

衷心からのご健闘を祈念します。

株式会社日本防災デザイン
代表取締役 志村邦彦 

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