お世話になっております。
日本防災デザインの代表の志村邦彦です。
4月1日になり、新年度が始まりました。今回から、「危機対応」についてコラムをお送り致します。
誰も経験をしたことのない未曾有の事態
今回のコロナウィルスでは、企業運営に責任をお持ちの多くの方々が、大変な思いをされていることとご推察します。
今回は、「誰も経験をしたことのない未曾有の事態」が発生しています。
コロナウィルスは、初期症状が出にくく、潜在感染を助長する特質があり、
一日も早い有効な治療薬の開発が望まれております
この状況がいつ終わるのかさえ確実な答えは見えてきません。
危機管理においては、一般的に「リスク評価」し、「複数のリスクシナリオ作成」を行い
その対応を具体化した「タイムライン」を作り上げ、それに従い「訓練」を積み重ねることが王道です。
しかし、実際には、その王道を積んできた多くの企業の危機管理責任者が困っています。
悩みは概ね3つのケース
困っている状況は次の3つのケースに当てはまります。
■ケース1:「パンデミックなんて考えてもいなかった」
リスクアセスメントの想定外で、「本当に有効な対応策が何なのか、今、何をすべきか」に無策だった。
■ケース2「リスク想定はあったが、実際どうすればいいのか分からない」
自社内でのリスク想定はしていたものの、政府や自治体から「推奨」的な行政指導があり、
それを踏まえて自社がどう振舞えば、顧客や取引先、各ステークホルダーからの
責任追及を最小限にできるかと悩んでいる。
■ケース3「リスク想定し準備してきたが、『従業員の安全』と『社会的責任』の間で悩む」
リスクは十二分に承知していたが、企業の社会的責任を果たすために、
どこまで踏み込んで、従業員にリスクを負わせるかを悩む。
以上の3つのケースに分けられます。
経営者はどう判断すれば良いのか?
いずれのケースにしても、こうした事態の中で、経営者はどのように判断をすればよいのでしょうか。
経営者がどんな意思決定をしたとしても、多かれ少なかれ様々な意見が出てきます。
その判断に対して批判的な声が上がることを恐れて、決断ができなくなることもあるかもしれません。
特にこの時期、インフラに関わる電力、ガス、水道、物流、輸送交通、流通・商業などの
インフラ企業はもとより、国民の生活を支える全ての企業の役割も無くしてこの危機は乗り越えられません。
どの会社にも多かれ少なかれ「社会的機能」があり、「従業員の安全を優先するのか」
「社会的責任を果たすためにリスクを負わせるのか」の判断を迫られるのではないでしょうか。
その判断に、一律の型があるわけではなく、最終的にはそれぞれの経営者が「社会正義」を
どのように捉え意思決定するかではないかと思います。
あらゆる角度から出来うる限りの社内外の情報収集を尽くし、
最終的にそれぞれの情報を経営者が、「意義づけ・意味付け」(インテリジェンス化)した中で、
総合的な決断をする事が不可欠です。
経営者が判断するプロセスの中で、全身全霊に信義・誠実を尽すことが
従業員やすべてのステークホルダに対する「正義」といえるものではないでしょうか。
「誰も経験をしたことのない未曾有の事態」に対しての正解はありません。
だからこそ、何が正義で、どう意義づけ意味づけを与えるかが、重要になると考えます。
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