米国訪問記:オクラホマ州立大学に行ってきました!


消防署 044
エッセンシャルズ6ページにある昔の消防署(オクラホマ大構内)

12月7日から8日にかけて、アメリカのオクラホマ州立大学に行ってまいりました。昨年の米国視察ツアー(ルイス・F・ガーランド消防学校、ガーディアンセンター他)が10月でしたので、それ以来、ほぼ1年ぶりの米国訪問となります。

エッセンシャルズ挟んで
日本語版エッセンシャルズを持って

オクラホマ州立大学といえば、ご案内のとおり、書籍『消防業務エッセンシャルズ 第6改訂版』の出版元です。弊社が翻訳するにあたり、事務的な連絡は頻繁に行ってまいりましたが、同大学を訪問するのはこれが初めてでした。

先方のMichael Wieder氏とは、数えきれないほどのメールのやり取りをしていますので、初対面でしたが、昔の友人にあったように思えましたし、とても歓迎していただきました。

オクラホマ州立大学といっても、『消防業務エッセンシャルズ』のような書籍を出版しているのは、IFSTA (International Fire Service Training Association)という組織になります。

ifstaかたろぐちょっと話は複雑になりますが、このIFSTA自体は社員を持たずに、FPP (Fire Protection Publications)という組織に80名が所属して、カリキュラム、教育システム、テキスト、スタディガイド、コースブック、指導マニュアル、電子書籍、ビデオクリップ等々の開発、出版を行なっています。全米で行われている主だった災害対応教育に関するコンテンツは、このIFSTA/FPPで作られているといっても過言ではありません。それが世界の主だった国々で使われていることは、皆さまご承知のとおりです。

イフスタ入口
FPPの玄関

この場所から有名な教材が発信されているのだと思えば、日本から行ったわれわれ訪問者は、(今、写真でみるとただの玄関ですが、)IFSTA/FPPの入り口にたたずんだ時には、「聖地にたどり着いた」ような感動を少なからず抱きました。(笑)

IFSTAの歴史は古く、1931年 IFSTAの原型となる消防に関する研究が始まり、1934年 損保会社が主導してFire Service Training Associationが設立されます。それから、社員一人、秘書一人、アルバイト学生数名で出版事業を始め、今では、世界中に、35種類、250万冊を出版する実績をもつまでになっています。

イフスタ倉庫3
全世界に書籍を発送する巨大な倉庫

実際に、IFSTA/FPPが、自ら企画・執筆・デザイン・編集・倉庫保管・梱包・発送処理までを行っており、本格的な出版会社と巨大な倉庫会社が一体となっている状況です。日本人が「大学の付帯事業」に抱くイメージとはずいぶん違い、最新の装備やシステムが取り入れられて、しっかりとビジネスが回っているという印象を持ちました。

また、IFSTAでは、消防・防災技術の研究や防災製品の開発にも取り組んでおり、テーマを決めて関係する機関と連携したり、化学実験等が必要であれば、オクラホマ州立大学とも共同で実施するなどのスキームを有しているとのことでした。単なる出版社にとどまらず、常に防災教育で世の中をリードするというIFSTAの進取の気概を感じました。

イフスタ倉庫 (1)
運送会社なみの梱包機材とシステムを有す

今回のIFSTA/FPP訪問の目的は、アメリカにおける災害対応教育のカリキュラムの体系を教えてもらうことで、その目的は達成されました。

また、NFPAやFEMAが「基準や方針を決める機能」を持ち、IFSTA/FPPが「カリキュラム・教材提供機能」を持ち、大学や専門学校が「教育実施機能」を持ち、Pro BoardやIFSACという機関が「技術・技能の認証機能」を持っていますが、それら4つの機能の国家的な役割分担についても、詳しく教えていただき、有意義な訪問となりました。

世界には、まだまだ学ぶことは多いと痛感した次第ですが、弊社は、IFSTA/FPPのコンテンツも含め、世界の優れたコンテンツを日本にご紹介することで、日本の災害対応力の向上に寄与する所存です。引き続きのご支援をよろしくお願いいたします。

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